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平出 哲也
no journal, ,
イオン液体は蒸気圧がないなど、多くの特徴を持った新しい材料であり、その特徴を活かして原子力分野でも抽出・分離のための溶媒としての活用が期待されている。最近の研究では、巨視的な特徴同様に、微視的,ピコ秒領域の反応においても他の物質中と異なる現象が見られ、例えば、電子の熱化距離が長い可能性が示されている。この電子の挙動を陽電子と電子の反応であるポジトロニウム形成から調べることを試みた。その結果、通常とは異なる異常に長いパラーポジトロニウムの寿命成分が見いだされた。しかしながら、消滅線のエネルギーと寿命の相関測定から、消滅時の電子-陽電子の運動量の消滅時刻依存性を調べると、この異常に長い寿命成分が単純にパラーポジトロニウム成分ではないことを示す結果が得られた。これらは自由電子が長い時間拡散していることを示していると考えられる。
下条 晃司郎; 長縄 弘親; 久保田 富生子*; 矢板 毅; 鈴木 伸一; 後藤 雅宏*
no journal, ,
当該研究グループでは、環境調和型の新しい溶媒と言われているイオン液体を利用して金属イオンを抽出する「グリーン」な溶媒抽出技術の開発に取り組んでいる。その一環として、ランタノイド抽出における抽出剤として多座配位子TPENを用い、イオン液体とクロロホルムにおける抽出挙動の比較検討を行った。その結果、イオン液体系はクロロホルム系に比べて大幅に抽出効率が向上することが明らかとなった。また酸性水溶液を回収相にすることで逆抽出も容易に行うことが可能で、さらにTPENの漏れ出しも全くないことが明らかとなった。
青柳 登; 下条 晃司郎; 永石 隆二; 虎石 貴; 鈴木 伸一; 木村 貴海
no journal, ,
[Cmim][AlCl]や[Cmim][FeCl]などの金属を含有したイオン液体は、合成,触媒,電気化学,磁性体などの応用分野で注目を浴びている。これらの研究では内包させた金属イオンによって磁性,分光特性,触媒的特性などが変化する材料としてイオン液体が期待されている。本研究では、5f電子を有するアクチノイド化合物の呈色を調べるために、金属イオン濃度の高い、構成アニオン中にウラニル錯体を有するイオン液体[Cmim][UO(NCS)(HO)](=1-3)を合成し、機能及び構造に関して議論した。組成比を変化させると生成物のイオン液体は、濃紫-紅赤-黄丹と呈色することがわかった。併せてアクチノイド化合物でのサーモクロミズムを発見した。